戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー 山里栄昭氏
8.子どもの楽しみ (1)正月
- 聞き手A
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えっと、先生の、ええと、まあ、幼少時代といいますか、いろいろな年中行事があると思うんですが、それに関するお話をお伺いしたいです。
- 山里先生
- はい。えっと、まず正月ですね。正月で一番楽しいのは、たこ揚げでした。えー、その、がん、あ、元旦じゃなくて、大みそかの晩はたこをつくるの。まあその前に、たこの骨組みはつくるんですけどね、紙を張るのは、もう大みそかの日に紙を張って、たこをつくりました。それが一番の楽しみでした。そして正月に、まあ、新しいげたをもらうのが、もう楽しみでしようがなかった。
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で、たこ揚げはもう、よくやりました。海が近くでしたので、もう海でたこを揚げて、それをそのまま家まで持ってくるんですよね。で、家につなげて、ずっと夕方になったら、また戻すとかっていうのが。
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それから、正月にはもう、あの、一家そろって、いわゆる、まあ方言で言う年頭(ニントー)。標準語では何て言うんですか。ニ、ニン、年頭っていって、お酒をみんなにして、お祝いです、要するにね。お祝いを、こう、お父さんに一人一人、みんなお祝いの言葉を述べるんですね。そういう習慣がありました。
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これは、あんまり沖縄本島ではないみたいですね。それでまあ、うちの、結婚してうちの家内も、八重山でそういうものを体験して、ああ、ぜひこれはうちでも続けようということで、いまあの、正月には子どもたちが来たときに、必ずこの親に対して、ひとこと今年の、まあ抱負みたいなものですね。そういったものを、ひとこと言ってもらうということをやっております。
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それから、ああ、あの、親せき回りはですね、まず家族。まあ全員は行かないんですけども、おやじと、まあ長男。それから、おふくろもかな。そういう、いわゆる家元、い、い、家元じゃないな。何ちゅうのかね。その大本になる家ですね。そこに、えー、折をみんな持っていって、そこでも、まあ、お祝いをするということなどをやっておりました。お正月はだいたいそんなもんですね。
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