首里城の復元と沖縄の文化 高良倉吉氏
1.私の琉球史探求 (4)私の仕事のテーマ
- まず、私の仕事ですけれども、二つ大きなテーマがあります。
- 一つは、かつて首里城という城に王様がいて、その王様が島々を治めるという、それを私は琉球王国、琉球キングダムと言っておりますけれども、そういう王国がかつて存在したと。500年間にわたって存在しました。この琉球王国という、かつてこの島々に存在した独自の政治的な存在、その実態を描くというのが、まず私の仕事です。
- 沖縄には泡盛というおいしいお酒があるものですから、泡盛を飲み過ぎて、あまり勉強していませんけれども、ちょこちょこ勉強しまして、ここに書きましたように『琉球王国の構造』という本を書いたことがあります。それは、首里城の王によって、島々がどのように支配されていたかという問題を、当時の資料を使って細かく検討するという、ややマニアックな仕事をした成果ですけれども、これに象徴されるような琉球王国という存在と、その実態を検討するというのが私のテーマの一つです。
- 二つ目は、それに関連するものとして、琉球王国というものが、決して沖縄の小さな島々に閉じこもって歴史や文化をつくったのではなく、広くアジアと交流しながら、アジアの刺激を受けながら、この小さな島々が独自の文化をつくっていくという。つまり、アジアと絶えず接触しながら、交流しながら自分たちの歴史や文化をつくったという問題を、アジアを視野に入れて考えるということが私の二つ目のテーマでして、このためのラフスケッチのようなものを、『アジアのなかの琉球王国』という本の中で描きました。
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