戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー 仲本實氏
9.米兵の態度がだんだん険悪になる (4)恐ろしい目に遭う
- 仲本先生
- そうすると、ちょうどその避難小屋がこうありますと、これから土手になってるのを、この人はぷうっと、こう逃げたんですね。これからいくら撃っても当たらない。当たらない。すると、われわれはこの辺におって、ああ、大丈夫、逃げたと、行くのを見ておったんですよ。で、ああ、大丈夫だったよと。
- それと、もう一つ安心したのはね、鉄砲の音が聞こえたから、もうほかの連中は帰って、もう来ないだろうという安心したんですが。ところがね、そのときになって、えー、私と一緒に座っておった、そのおじいちゃん。このおじいちゃんがね、あの、びっくりしてるんですよ。
- 鉄砲を撃たれたんでね。もう、音を聞いたんでびっくりしてからに、アメリカさんにこんなして言ったんですよ。「なあ、もう、私はもう年も60近くなっています。どうか命だけは助けてください」と、こう、にじり寄っていったわけよ。そうしたらアメリカさんはね、「何」というような感じで、こう、自動小銃をぽっと向けたんです、こうして。
- そうしたら、このおじいちゃん、ますますびっくりして、「ああ、ワッターヤ、ヒンギーンドー」と。僕は逃げるということでね。誰かが「おじい、逃げるな」と言ったんですが、ぶんぶんぶんぶんと。
- そのころは着物ですから、わら帯をしてます。それ、それが外れてね、ははは、着物をひらひらさせながら、ふんどし1本でぱあっと逃げていったんですが。「オジー、ヒンギランケー」といって言ってるんですがね、ああ、もう、変な声出して、鳴き声出して、ばあって逃げていったんですが、幸いに、やっぱり年寄りだから撃たなかったんだ。それでひと安心ですよね。
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