戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー 仲本實氏
9.米兵の態度がだんだん険悪になる (4)恐ろしい目に遭う
- 仲本先生
- えーと、それからですね、アメリカさんの行動が決まるんですよ。夕方になりますとね、山の上の電波てんち、探知機あったところに、すでにもう、米軍が電波探知機つくったんですね。で、そこから、その下のほうに向かってね、もうほんとにバリバリバリと、こう、一斉、一斉射撃をするんですね。
- それを合図にして、この辺で山狩りをしておった2、3名です。だいたい3名か4名なんですが、その山狩りをしておった連中がね、今度はこれらも、暗がりとか、そういったあの、やぶなんかにこう、バンバンバンバン撃って、それから引き上げていくんです。
- そうすると私たちはですね、これ、これで安心するわけだ。ウワイディップー。方言でウワイディップー、終わりの鉄砲ということでね、これが鳴ったら彼らはもう帰るよということなんですよね。ウワイディップーということで帰るんですよ。
- そうすると、これが鳴ると、しばらく様子を見て、さっとまた、その避難小屋に下りてくるんですが。その日ですね、その避難小屋に歩いてる、その先頭は、そのおばあちゃん。それからおじいちゃんがおって、それからお兄さんがおって、僕がおって、4名こう下りていったんで、一番後ろの僕のほうがですね、アメリカさん見つけたんですよ。兵隊を。
- 「やあ、アメリカードー」と。といって、こう言ったら、そのおばあちゃんは後ろを振り返って僕を見て、「シカーグヮーヤ(臆病者)」と。臆病だと言うわけですよね。怒られたんで、もう仕方なく、そのまま4名入っていったんです。
- 入っていったら、こう、4名おりまして。ああ、ごめんなさい。3名おりまして、三方を囲んでいるんですね。われわれ、その真ん中へ入っていったわけです。その真ん中にね。もう逃げるわけにいかないですね。
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