沖縄修学旅行おぅらいデジタル・アーカイブ
平和への願い

戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー(仲本實氏)

9.米兵の態度がだんだん険悪になる


戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー
仲本實氏

9.米兵の態度がだんだん険悪になる
(2)母との再会

仲本先生
まあ、こんな暮らしをしていたんですがね、ある日、母が訪ねてきたんですよ。その、要するに、同じ防空壕に隠れておった人たちの代表を連れて、母が訪ねてきたんです。山の中に。
で、これを私はどうして知ったのか分かりませんけどね、知ったんですね。そして母は、ちっちゃな、あの、生まれた子どもを抱えて、おんぶをしているんですが、山から、山の防空壕や避難小屋から、荷物をトラックに運ぶんですよ。
それ、トラックに運ぶあいだ、その往復をしてるあいだ、僕がこのが、妹をおぶっておったんですね。たぶん2、3カ月ぐらいだったと思うんですが、先ほどの2月19日ですから、5月で、まあ2、3カ月ですね。
そうすると、あの、ちょうど笑うころで。よく昔の人たちはね、子どもをあやすときに「ンクー、ンクー」と言ったんですよ。「ンクー、ンクー」と言ったら、この子はね、「ングー、ングー」と言って答えておったの。笑って。
これ見たらもう、悲しくなってね。もう、おふくろとついていきたくなったんですよ。そしたら、もう行きたいと思っておったんですが、しかし何とも言わなかった。
あの、口から出すことはなかったんですが、しかし、おふくろは、その、ほかの人たちと一緒に、そのトラックと、その避難小屋を往復して荷物を運んでいって。

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