戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー 仲本實氏
9.米兵の態度がだんだん険悪になる (2)母との再会
- 仲本先生
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で、一番最後になったら、妹を連れて帰ろうとしたんですよ。と、ところが私も帰りたい。ええ。そのときは。帰りたいけど、もう、言えない。ところが、おふくろ言ったんですよ。
- 「この世の中、どっちが助かるか分からんから、あんたはそこにおっときなさい」と。5月の中ごろですよ。そう言っていたんです。ええ。だから、これ、いまから考えても、すごく強いおふくろだったなと、いま思うんですけれども。ええ。
- まあ、それからは、まあ、いつもやっぱりね、残ったことを後悔しましたね。あの、恩納岳ってあるんですが、恩納岳のあっち側、ふもとのほう側に、金武という部落があるんですね。その金武のところにいるといって話していましたから、ああ、あっちが、あの辺にうちの家族はいるんだなといって、いつもそこを眺めていました。
- 昼になるとね、山の上でそこを、そこを眺めたりね、夜になると、あの、泣いたりしていました。ただ、恥ずかしいから、見られるような泣き方はしないんですが、隠れて泣いていました。まあ、そんなことがあったりしましたね。
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