沖縄修学旅行おぅらいデジタル・アーカイブ
平和への願い

戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー(仲本實氏)

6.4月1日米軍上陸


戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー
仲本實氏

6.4月1日米軍上陸
(5)米軍との出会い

仲本先生
その兄さんと二人、君たちは監視役だといって、あの、選ばれたんですね。それで、まあ、それじゃあ行きましょうということで、私たちはよく、その木の上に登って、あ、その下からアメリカさんが来るのを見ておったんです。
で、ある日、また来たんです。やっぱり3名。3名来たら、おれおれ、するすると下りてですね、その、避難小屋に駆け込んで、「いまアメリカ来たぞ」ということで知らせたんですよ。
そしたら、みんなばあっと散ったんですがね、ある年寄りが、おばあちゃんが、言った僕の手と、その兄貴の手をぐっとつかまえてですね。
あのころ、年寄りってあんな力あるんかなと思うぐらいの、その力を感じたんですが、ぐうっと握ってですね、「君たちは子どもだから殺さない。だから、あの火見ておきなさい」。ちょうどお昼を炊いておった。「あの火を見ておきなさい」と。と言って逃げていったんですよ。
ところが、考えてみるとですね、このおばあちゃん、普通は何て言っておったかというと、「私たちはもう年寄りだから、いつ死んでもいいだろう。でもね、一番大事なのは子どもだから、子どもから先に逃がすんだよ」といって、口癖のように言っていたおばあちゃん。
この人が、われわれ二人をつかまえてね、君たちは残っておきなさいと、自分は逃げちゃった。こんな、あの、話がありましたけどもね。おかしな話が。ええ。

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【参考資料】

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