戦中・戦後の子どものオーラルヒストリー
仲本實先生のオーラルヒストリー

参照リスト   (食生活)

食事 食事 食事

1.石川収容所での食生活  3.ソテツの加工    4.ソテツを使った調理法

2.貴重だった食べ物

 収容所の金網の中を抜け出しましてね、やっぱりアメリカさんのゴミ捨て場とかね、それからキャンプの近辺をうろうろしているんですよ。特にゴミ捨て場はね、ドラム缶からポロポロポローっと残飯をこぼしますんで、これの中から肉片を拾ってね、それを持って帰って食べるんですけども。

 それから缶詰のちょっと膨れたやつ、ちょっと腐りかけてこう膨れますね、あんなのも取ってきて、それを食べておったりしたんですね。そして、ある日、そんなことをして帰ってくると、もう夜帰ってくるんですけども、私がちょうどその鉄門(?)を開けて、入ろうとするともうその前にね、受け持ちの先生が立っているんですよ。「おい、仲本!」と言われましてね、それびっくりして見たら先生でしょ。

 でももう仕方ないから逃げたんですよ。ところが私、かますを担いでいましてね、その中にアメ玉の入った缶かんが入っているんですよ。いっぱいじゃなくて、いくつか入っている缶かん。それがカランカランカランしながら、逃げた覚えがあります。そして、翌日は大変なことになったなと思っていましたが、先生何にも言いませんでした。

 結局、先生も当時の状態を多めに見ておったんじゃないですかね。まぁ、そんなことがあったりしておりました。(略)学校でも、やっぱりお菓子の配給があるんですよ。一週間に一回ぐらいだっただろうかなと思うんですが、そうするとね、もう朝から子ども達わくわくしておって、「今日お菓子の配給あるんだ。」って。学校行くときにはね、はからずも誰かが歌いだすんですよ。

 「青空仰いで、大きな呼吸~。みんな揃って、この胸張って、いーつも、いつも。クゥワーシの配給待ちかんてぃ。」ということでね、お菓子の配給を待ちかんてぃしてるということで歌って、元気よく登校していました。