戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー（仲本實氏）

９．米兵の態度がだんだん険悪になる

戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー
仲本實氏

９．米兵の態度がだんだん険悪になる
（６）二人の兄弟殺される

仲本先生

そして、そのまま行って石川まで行くんです。山を越えて。石川へ行って、どこそこにこういうことでたくさんの人が隠れてるから、助けてくれと。そして、何月何日と、日にちも打ち合わせしたとおりにやるんですね。日にちを打ち合わせて行って。

そして、その日になりましたらね、その辺に隠れた人たちは全部ここに来たんです。この、これも自然洞窟なんですけども、これは入り口はこの、たった一人ですよ。入れるのは。入れるのは一人なんですけれども、中は空洞になっとって大きい。え、50、60名ぐらい入るんですね。そこに集まってきて、みんな入っておったんです。

そしてしば、もうお昼も過ぎたころでしたか。そこ、あの、入り口のほうで、その呼んでる声が聞こえると。それで、みんなぞろぞろ出ていくわけです。

当然この、こんなときにはね、おふくろが来たか、ときもそうですが、こんなときにはＭＰがついてくるんですよ。だからあの、心配ないんですけれども。その、出ていったらね、そこにはいつもやっぱり山狩りしてる連中でしょうね。３名、そこにすわっ、あの、銃を向けて、こう、われわれ、ここ、ぞろぞろ出てくるのを見てるわけ。見てるわけで。

それでまあ、僕なんかは、そっから通るときに、ほれ見たか、おまえらに捕まらんぞ、なんて、何か、何となくね、ばかにしたような感じでね、これらを見て、見ながら私、通り過ぎたんですが。

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【参考資料】