戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー 仲本實氏
7.家族は難民収容所へ (1)従兄とわたしが捕まる
- 仲本先生
- まあ、それからが大変でした、ほんとに。何時間もたつとね、しばらくしたら、この下の人たち、やっぱりみんな連れていかれました。いかれたんですが、まあ、われわれは上でやってる。ところが、下はゴトゴト、ゴトゴトしてるんですよ。あの、床の上をね、何か歩くような音なんですよね。下りられない。
- そのうちにしっこをしたくなる。もう、これ大変なことですよね。えー、仕方がないから、あっちにちょろん、こっちにちょろんって、その天井の上をはいずり回ってるわけですよ。あれはもう、1回出すと大変ですね。はは。もう止まらない、え、止まりにくいんで、もう、あちこちはいずり回って、その、やっと済ましたんですが。
- それから何時間かたって、まあ夜の9時ごろだったんですが、えー、そこ、物音がしなくなったんで下りたんですよ。下りたらですね、下のほう、あの、その避難小屋のほうに行ったら、その避難小屋は、えー、もうほんとに火を炊いて、火を炊いてね、もう夕げ時なんですね。夕食を食べてるんです。もう笑いながらね。ほんとに幸せそうに見えました。
- それを見て、二人はもうね、やっと逃げてきたのに、それを見て、うんと怒ったんです。特に、僕よりは兄貴のほうがおこ、怒ったんですね。5歳も年上だから、そ、それ相当の、この、精神的に発達してますよね。うんと怒ったんですよ。あんた方は、われわれがこう、あの、捕まってね、殺されるかもしれないのに、こんなことしてるというんで、ことでね、怒ったんです。
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