戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー 仲本實氏
7.家族は難民収容所へ (1)従兄とわたしが捕まる
- 仲本先生
- それを見てね、「ABC」と読んだんですよ。そしたら、これからアメリカさんが一変するんですよ。これまでね、何となく、まあやっぱり、あの、捕虜を捕まえてるわけですから、そんなに、そんなに、にこにこしてるわけでもないけども、でもね、一変して、もうにこにこしてるんですよ。
- 表情がまったく違ったんですね。そして、ありゃ、これは英語知ってるというわけ。で、「ABC」。ところが兄貴は、そのABCの次は分からんわけですよ。そ、次はDだよと言ったら、あ、それも知らない。はは。もうABCばっかり、く、繰り返していた。
- それでそのうちに、その、ほかの部隊から無線がかかってきて、わんわんわんと、こう、しゃべってるわけですね。そしたら、無線機を取って、こう、話をしてるんですが、しまいにはこのわれわれ二人の話になったらしくて。
- ええ。そして、われわれにこのマイクを向けてね、あの、「トージョーイッセー」と言うんや。というふうに言えというわけ。要するにジェスチャーで、その、言えと言ってるんですよね。
- 「トージョーイッセー、トージョーイッセー」と言うと、こうして、この、僕らの顔にマイク近々、あ、これは何か言ってるな、言えということだなと僕は、そのとおりに「トージョーイッセー」といって大きな声で言ったら、わっはっはして喜んでるんですよ。
- それで、あ、これ面白いなと思ったから、あの、また近づいて言ったら、また「トージョーイッセー」って何回も言わされたんですが。まあ、そんなことで。
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