戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー（仲本實氏）

２．戦争近づく

戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー
仲本實氏

２．戦争近づく
（１）泊小学校に転校（４年生）

仲本先生

それから、いとこ兄がいたんですが、５歳ほど年上だったんですがね。その人が、まあ、特に私の手伝いをしてくれたんです。だからその兄貴と、あの、畑行ったり田んぼ行ったりするのはとてもうれしくて。というのは、楽でしょう。草刈りに行ったりすんのもね。まあ、その兄貴と、いつもくっついていたんですが、まあ非常にあの、お世話になった兄貴なんですね。

それから、えーと、今度、名古屋から、おやじがこう帰ってくるんです。帰ってきたら、今度また那覇に住み着くんですね。住み着いたら、えー結局、そこ、その山田の小学校から泊の小学校に、また転勤するんですね。そのときがちょうど４年生で。

泊に行きますとね、ところが、泊の子どもたちは、かなり乱暴なんですよ、みんな。その、久茂地小学校とか山田小学校では、ほとんどけんからしいけんかはなかったんですが、この泊小学校に来たらね、このけんかの順番が決まるまで、毎日けんかなんですよ。転校生来たら。ええ。ですから、えー、いつもけんかばっかりやってる。しか、いつも負けてるわけにいかないんでね、仕方なくけんかをするんですが。

ところが、あの、田舎あたりではね、平手打ちなんですよ、だいたい。ところが、この泊来ますとね、空手のこの、こぶしなんですよ。こぶしで、こう、「君、僕に勝てるか」と、こう来るわけですよ。そらそうすると、まあ、勝てそうだったら「うん」と言うわけ。そうするとね、教室の裏へ行ってけんかするわけですよ。負けそうだったら「いいや」と言うわけ。これで順番決まっていくわね、こういうふうにして。ええ。

ところが、私はあの、田舎から来てるもんで、この、要するに、こぶしで人を殴るということを知らない。みんな、この平手でやってるわけですね。ところが、泊の子どもたちはね、こぶしで来るんですよ、空手みたいに。で、この、もともとその泊というところは、空手の、の盛んなところでして、やっぱりそのせい、影響もあったかもしれませんが、このこぶしで来るんですね。

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【参考資料】