沖縄エイサーの歴史と沖縄の文化 宜保榮治郎氏
10.中国貿易とその影響
- 宜保先生
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そうでしょうね。ですから、基本的には沖縄の人は人種差別がないですよ。大昔から、那覇港には黒人も白人も、5~600年からおりますからね。しかも、韓国も中国も、この人たちはすばらしい文化を持ち込んでくる人だったんですよね。だから、尊敬こそすれ、差別はしていないです。
- 聞き手1
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それは大したもんですね。
- 宜保先生
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ですから、沖縄では中国の人のことをトウノチュと言いますがね。唐の人。もうトウノチュと言って非常に尊敬するんですよ。どんな商人であっても。それから、皆さんのような人はヤマトンチュと言いましてね、大和時代から沖縄ははっきりと交流したんでしょうね。だからヤマトンチュというふうな形で言いますが、我々から言いますと、ヤマトンチュからはいじめられた歴史はありますけれども、大切にされておらないんですがね。
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中国では、持っていった品物の倍返すんです、貿易。はっきり言うとですよ。ここから10持っていくと、向こうからお返しは20あるもんですから、首里王府は、薩摩が支配する以前は税金を取らないんですよ。どうぞ志だけ持ってこいと。首里王府は中国貿易でもう十分生活できるわけですね。だから、薩摩の支配体制になると、農民一人ひとりから税を取っていくもんですから、大変厳しいことになったわけですね。
- 聞き手1
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あれは全国的な一つの体制ですね、あのころの形の。やっぱり中国との関係というのは、もう昔からの一つのパターンになってきたと。
- 宜保先生
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沖縄には、中国のそういうふうな芸能文化とか、例えば航海術とか造船の技術とか、それから城をつくるとか、橋をつくるような技術が入っていますね、文明が。韓国からは綱引きとか闘牛とか、あるいは相撲ですね、ああいう民間レベルの文化が入ってきていますよね。
- 聞き手1
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なるほどね。そう言われてみればそうですね。
- 宜保先生
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そっくりですもん。また大和の方からは大和の方で、古来からずうっと文化的なものが来ておりますからね。
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