沖縄エイサーの歴史と沖縄の文化 宜保榮治郎氏
2.エイサーのルーツと袋中上人
- 宜保先生
- そして、その人の著書の中には、私がずうっと追跡していったことが端的に書かれているわけですね。しかし私は、まだこの学者の共通知識といいますか、それになっていないわけですね。それで、私は、これはやっぱりきちっとそういうところを学問で研究して、県民全部に知らせなくちゃいかんということで、まずたびたびレポートを書くんですけれども、何分若いときは、学者の端くれ、全く誰からも眼中に置かれないわけですね。
- そうしている間に、沖縄の文献をずうっと調べてみると、袋中上人が1603年ですか、沖縄に来られて浄土宗を広められたと。そして、今度行かれた方がいいと思いますが、桂林寺跡というのが商業高校の裏側の方にありまして、この袋中上人が沖縄に来られて浄土宗を広められたと。そして、そのときにお経を庶民にわかりやすく沖縄の言葉に訳して教えたということが、はっきり『球陽』という本とか『琉球国由来記』という本に出ているんですね。
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そういうことがはっきりしているのに、まだ盆踊りというものは本当に袋中上人が持ってきたかどうかわからないというふうになっていたんですね。そして、お盆の季節になると、新聞が、各村々でエイサーが行われていると、それは全部五穀豊穣を目的とした行事であるというふうなことを言っていたんですね。そういうことでやりましたら、外間守善先生が、本土の方の第一書房だったかどこかと提携しまして、その沖縄の歌を全部拾い集めると、これまでのものを。
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そういうことがありましたから、私は、じゃあこのエイサーのもと歌がどこかに残っていないかということで、ここの南部島尻あたりに調査し始めたんですね。これが見事な形で残っているんですよ。そして、私は、この一つの村を採集するのに2日も3日もかかりますから、それをずうっと追跡していって、私は5つばかりですかなあ、「仲順流れ」の歌をずうっと集めていったんですね。そしてそれを外間先生の方に送りましたら、先生もびっくりしておられたんですね。
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