戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー（仲本實氏）

１０．石川難民収容所へ

戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー
仲本實氏

１０．石川難民収容所へ
（１）米兵の態度険悪になる

仲本先生

ですから、やはり山の中でも、要するに、その、私たちの村の人たち、地域の人たちは、そんなに、あの、食料には困らなかったんじゃないかと。ただね、疎開で南部あたり、島尻あたりから来た人たちがいましたので、こんな人たちは非常に困ったかもしれません。

特に、その自分の、配置されたうちから離れた人がいます。この人たちはね、非常に困っただろうと。食料関係では。その、うちにはい、配置をされて、そのうちの人と一緒に逃げてる人は、おお、あの、やっぱり食料事情はよかったんじゃないかなと思います。それと、日本軍の食料なんですが、これはもう大変でした。われわれ子どもから見ても大変だと思いました。

例えばですね、あの、防空壕をほ、掘ってるんですが、その穴を掘ってね、あの、防空壕は１カ所から掘るんじゃなくして、あの、両方から掘っていくわけですね。そうすると、真ん中でつなぐわけです。そのつないだときに、やっぱりあの、お祝いみたいなことをするんですよ。兵隊さんね。

そうするとね、われわれ子どもにもね、「おい、今日、天ぷらがあるぞ」とかね、あるいは「今日はごちそうが出るぞ」と言って、あの、「来いよ、遊びに来いよ」と言って、誘う兵隊さんがおったんですよ。それで行ってみました。

行ってみましたらね、その天ぷらといって、兵隊さんがおいしそうに食べてる、その天ぷらがね、ほとんど天ぷらじゃなくして、何かな、かずら、葉っぱ。これを、あのね、油に乗っけたようなもんで、ほんとに天ぷららしくないもの。ええ。ほとんど、かずらでしたね。かずらの葉っぱ。イモの葉っぱですね。それでした。で、私たちが食べてもおいしくないと。という、子どもが食べてもね、おいしくないと。

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【参考資料】