戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー 仲本實氏
8.山中での暮らし (3)吸殻探し
- 仲本先生
- で、まあ、こんなことして、私たちは、その、自分の避難小屋に帰るわけですね。避難小屋に帰ったら、そのおばあちゃんにこれを渡すわけですよ。渡すんですが、もうこれが一番大事なもんですよね。
- 火を使う場合にね。まあ、いちいちこう擦って、昔みたいに火をおこすわけにはいきませんのでね。まあそれで、要するに、火を付けるには不自由しなかったんです。
- ところがですね、あの、隣といってもだいたい、そうですね、100メーターか、2、200、300メーターぐらい離れておるところに、なん、いくつかあったんです、グループが。隠れてるグループがあって、そこはね、マッチがないんですよ。
- で、夜になるとね、あの、5年生。僕はもう6年生になってるんですが、その僕より一つ年の、5年生を先頭にして、男の子を。おばさんたちが、ぞろぞろぞろぞろついてくる。山から。その、うちに火をもらいに、火種をもらいに来るんですよ。
- そしたらある日ね、この、例のとおりこうやっておりましたらね、えー、この男の子がね、ぶやんとしたのをね、踏んづけたんですよ。真っ暗ですから何も見えない。
- それで飛び越して見たら、人が死んでる。ということで、「あら、人死んでるぞ」と言ったら、このおばさんたちはもう、「ええっ」と言って見て、驚いて、あの、後ろ向いて自分のところに、みんな逃げて帰ってしまった。
- 男の子は今度、越えてこちらに、あれらと一緒に行かないで、われわれのところに逃げてきたんですね。そして、こうだったということを話をしたんです。
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