沖縄修学旅行おぅらいデジタル・アーカイブ
平和への願い

戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー(仲本實氏)

4.再び山田国民学校へ


戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー
仲本實氏

4.再び山田国民学校へ
(2)朝倉さんとの出会い

仲本先生
そしてその中でね、兵隊の中で、同じ山部隊ですけれども、そのハトの、専門の兵隊、要するに伝書バト。この伝書バトの小屋をつくって、そこの隣にちっさいテントを張って、一人だけ住んでるんですよ。で、食事は当然、本隊のところへ行ってやったりしていますが、普通は一人で住んでる。
で、私、ハトが好きなもんだから、いつもそこのハトの訓練をするほ、あの、どういうようにするんだろうというので、訓練を見ていました。そのうちに、その兵隊さんとお話をするようになって。
それから、その、いろいろ話聞いてみたら、その兵隊さん、先生だったんだと。兵隊来る前に先生だったと。それから階級はね、私はよく分かるんですが上等兵でした。先生をするということでね、ああ、先生ということで、親しみをますます持つわけですね。
で、夜などね、あの、そこのテントの中に泊まるんですよ。泊まって勉強教えてもらったりするんですね。というのは、この人一人ですから、本隊と、に比べると、わりとフリーなんですね。だから私は、そこに行って泊まって、勉強したりしてやっていました。
そして、その方もうちに呼んで、その、いろんな食事をあげたり、それから、あの、ハトのね、餌がね、あるんですよ。豆、豆腐豆とかね、それから、えー、トウモロコシとかあるんですが、その、豆腐の豆はほら、豆腐できるじゃないですか。
そうすると、兵隊さんは自分でそうするわけにいかんから、うちのおばあちゃんとこ持ってくるわけ。そこで豆腐をしてもらって、はいはい、どうぞと言って持っていくんですが、まあ、そんなことをしたり。あるいは、うちから、こう、肉類を持っていったりね。その兵隊さんとうまく付き合っていたんですね。
まあ、私の家からすると、ものすごく、まあ、いい先生ということかな。兵隊さんというよりは。まあ、朝倉さんといったんだがな。北海道の人で。まあ、この人がどうなったかどうかは知らないんだけど。まあ結局、この人も、あの、し、あの、みんなと一緒に、部隊の移動と一緒に島尻に移動してしくわけです。
そして、これは後の話になりますが、戦争が激しくなって、もう終戦間際になったころですね。ハトがね、やっぱりそこの、たくさん飛んでくるんですよ。帰ってきたんでしょう。おそらく戦場からね、放されて。で、これを何とか捕りたいなって、あの兵隊さんのまねをするけど、私にはどうにも捕れなかったんですが、まあ、そんなことがあったりしましたね。
「沖縄修学旅行おぅらい」は、学校教育利用を目的としたデータを使用しています。
利用の際は、文化庁で示されている「学校教育での自由利用」を守って利用してください。
Copyright(C) 2011 Gifu Women's University. All rights reserved.

【参考資料】

※資料随時追加予定