沖縄エイサーの歴史と沖縄の文化 宜保榮治郎氏
11.三線と太鼓
- 聞き手1
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そうすると、中国から入ってきた文化の中では、もちろん漢字文化もそうですし、いろんなものがそうですけれども、芸能的には何があるんでしょうかね。
- 宜保先生
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三味線でしょうね。中国では、三味線はリード楽器じゃないんですよね。中国ではリード楽器は胡弓ですよ。三味線は単なるリズム楽器なんですけれども、沖縄に来ると、もうこれが見事にリード楽器になりまして、リズムとメロディーを兼ね備えたものとして発達するわけですね。この三味線文化が一番日本文化に沖縄から与えた大きなものでしょうね。
- 聞き手1
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なるほどですね、これはもう大きいですね。
- 宜保先生
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我々も沖縄の芸能を見るとき、三味線が入っていると、これは新しいでしょうというと、地元の人たちは、どうしてわかるのかと。いや三味線が入っている。三味線が入る前は太鼓とかドラをたたいたんだろうと。
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実は三味線を入れるか入れんのかで、昭和の初めごろからしょっちゅうお互い同士けんかがあったけれども、いつの間にか負けて三味線が入るようになった。もとはこれは三味線は入らなかったというふうなのがわかるわけですよね。だから、三味線が入るというのは、沖縄でも相当ハイカラな文化ですね。地方の輪踊りなんかも、三味線じゃなくて太鼓だけでずうっといきますから。
- 聞き手1
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太鼓というのはずうっと昔からやっておったんですか。
- 宜保先生
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あれは古いでしょう。
- 聞き手1
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そうすると、この今の、ちょうど見ていただきます、これもかねと太鼓なんですね。
- 宜保先生
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そうですよね、三味線は入っていないでしょう。じゃんがら。
- 聞き手1
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じゃんがらですね。あれも全然三味線はないんですよね。もうかねと、かねというのも、実は私が思うには、あれはやっぱり中国から渡ってきたもので。
- 宜保先生
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それはもう鉦鼓と言いますからね、本土の方も。
- 聞き手1
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向こうからでしょうね、これ。
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