沖縄エイサーの歴史と沖縄の文化 宜保榮治郎氏
9.外国から伝わった言葉
- 聞き手1
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我々はそういう発想はないですからね。
- 宜保先生
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ちょっと話があれしますが、沖縄に、昔から使っている英語が入っているんですよ。例えば恩納村の名嘉真という村がありますが、向こうの人たちは戦前から、「おい、もうお昼済んだからスタンバイしよう」というふうに言うんだそうですね。本人たちは昔から使っているもんだから、方言だと思ったんですよ、自分たちの言葉と。
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そしたら、米軍が、「おーい、スタンバイ」と言うもんだから、また海軍の連中も、海軍へ行ったらスタンバイと言うんだそうですね。これスタンバイといって、恩納村の名嘉真の言葉と思ったが、どうも変だぞといってやったら、結局、伝承としては、恩納村にペリーの連中が、ペリーはすぐ近くのアメクの崇元寺というところで宿泊しましてね、病人なんかを。そこから今度は沖縄全体を将来占領するつもりで測量しているんですよ。
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恩納村の名嘉真に泊まって、そこからまたやって、そのときに「スタンバイ」という言葉が入ったんだろうと。そうでないとわからないということですね。
それから、ペリーの連中が金武村の宜野座というところへ行って、沖の方に岩礁がありまして、宜野座ではこれをエゴイワと言うんですよ。そして聞いてみたら、ペリーの記録に、たくさんの海鳥がそこに卵を産んでいるから、あれはエッグ岩と書いてあるんですね。
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そしたら、もうみんなは普通はエゴイワ、エゴイワと言うけど、年寄りが、ばか、あれは本当は大きな石、オフジと言うんだよと。エゴイワというのは本当の名前じゃないよとたしなめられましてね、びっくりしています。ペリーが残していった言葉があるんですね。そういうふうに国際的な文化の交流というのは結構あります。
- 聞き手1
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沖縄というのは、ある意味ではそういう非常に文化の交流の激しいところだったということですね。
- 宜保先生
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そういう言い方、たまり場みたいなもんでしょうね。
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