沖縄エイサーの歴史と沖縄の文化 宜保榮治郎氏
9.外国から伝わった言葉
- 宜保先生
-
ああ、そうですか。沖縄に、この仮設舞台をつくる、できたものをバンコと言うんですよ。このバンコというのはポルトガル語なんですよね。どうしてできたかというと、ポルトガル語が長崎あたりに入って、このベンチのことをバンクと言うんだそうですね。ベンチとバンクは同じ語源なんでしょうね。あとは私は受け売りですけれども。そしたら、そのベンチをたくさん集めて、そして沖縄では例えばこんなのを4つ集めて舞台にするわけですね。だからバンクと言うんですよ、今でも。
- 聞き手1
-
全く同じやり方ですね。
- 宜保先生
-
同じやり方です。沖縄の場合はもっとおもしろいんですよ。各家の臼を集めて、臼って大体3尺の高さですから、それを集めてその上に板を置くんですね。板を置いて、あとは釘で締めるわけです。けれども、非常に危なっかしいものですが、崩れることはなかなかないんですよ。これはもう伝統的に首里王府のときはバンクと言うもんですから、どうもこれはバタ臭い名前だが何だろうということで、我々、問題にしていましたら、大城学君が国語辞典で調べたら、「バンク」と書いて「ベンチ」と書いてあるもんだから、おい、なるほどそういうことだなあ。
-
今はわかっていますよ、先生がおっしゃるように、もともと箱だったんですよ。そして、これが薩摩でも言葉が出てきますから、それでこれが沖縄に来て、だからこの音の響きは随分きれいですよ。ぴしゃっと、こう頑丈なのでやるよりはですね。
- 聞き手1
-
国立劇場の職人がそれをつくってくれたんですけどね。そうすると、そのやる都度、箱を組み立てなきゃならんようになりますもんですから、大変な(のです)。そうすると、京都なんかから来ました研究者が、喜んでそれを見ておりましたがね。なるほどなあと思いましてね。こっちでバンクと言うんですか。全く同じような系統のものですね。
- 宜保先生
-
これは九州に広がっているそういうベンチで、銀行のバンクもあれから来たというんですよね。銀行の例でちょうどそれはすぐわかります。フランスとかあのあたりで、違うお金を交換する商人たちがベンチに座って、フランス語でこうこうやって、ベンチで仕事をしているのがそのままバンクになったと言っていますね。
-
もう銀行の例、ちょうどまた歴史はずうっとここで結びついてくるんですよ。銀行の連中に言うと、僕らでは常識だよと。銀行というのはベンチから発達してきたんだと、お金を交換して、座ってね。ベンチに行くと、向こうでお金を交換してくれると。
9.外国から伝わった言葉 1/2 へ
「沖縄修学旅行おぅらい」は、学校教育利用を目的としたデータを使用しています。
利用の際は、文化庁で示されている 「学校教育での自由利用」を守って利用してください。
Copyright(C) 2011 Gifu Women's University. All rights reserved.
|