沖縄エイサーの歴史と沖縄の文化 宜保榮治郎氏
8.文化財の保護について
- 宜保先生
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これはまた、本土の民俗学とか芸能の研究者も考え方が違いまして、古いものを残す努力は何もしなくたっていいんだと。芸能というのは移り変わっていくんだから、そういうことを言うんですが、私はやっぱりオリジナルなもの、原形に近いものも大切に保存しながら、また発展していくものは発展させていくというふうにしないと、僕らの同僚の中でも、化石みたいに残す必要は何もないという人もいますからね。まあ一つの考え方の違いでしょうなあ。
- 聞き手1
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違いでしょうね。そうでしょうね、それはありますね。
- 宜保先生
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文化庁の文化財保護の専門家もそういう人がいますよ。だから、古いものをいじくるんじゃなくて、やりたければ新しいのをつくればいいんだと。
- 聞き手1
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それはまた一つの考え方ですよね。考え方だけども、それは文化の創造面での話ですし、しかし、その土壌にというか基本には、やっぱり、古いものをきちっと脈々と保存しておかないと。
- 宜保先生
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じゃあ、あんた方は法隆寺というものも、あったというだけで、その法隆寺の跡に大きなコンクリートのうちを建てるかというと、そこまでは言いませんけどと。芸能は、何も古いものを化石みたいに残す努力は全く必要はないとはっきり言いますからね、文化財保護行政をしている連中がですよ。
- 聞き手1
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私の方の大学では、今度は現代GPという形で、デジタル・アーキビストという形で指定されたんですけれども、こういう文化情報のこれを保存していけという。それは基本的には文科省から指定は、この基本的なものを残していこうという。
- 宜保先生
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そうですよね、文化財保護行政というのはそれですし、また、それでやったためにものすごい価値を見出されているのがたくさんありますからね。
- 聞き手1
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それは、先生、サイエンスの中でも、今のDNAなんていうのは本当は歴史ですかね、あれ。まさに何が残っておるかということですから、育種の種の問題もそうですから。種でもかけ合わせて新しいものをつくるんですけど、もとがなかったらできないはずですからね。
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