沖縄修学旅行おぅらいデジタル・アーカイブ
沖縄の伝統文化

沖縄の伝統文化を学ぶ 大城學氏

8.地域の伝統文化の教材化


沖縄の伝統文化を学ぶ
大城學氏

8.地域の伝統文化の教材化
(6)伝統文化を教材化して授業に取り組む

そのようなことをやって効果を挙げているところもあるのですが、必ずしもそうではないのですね。ですから、料理で例えますならば、素材はたくさんあるわけです。それをどのようなレシピでもって料理をして食べていただくか。つまり、芸能をどのように教材化して、生徒に地域の伝統芸能、広く言えば文化に触れてもらうかというような取り組みをしなければいけないだろうと思っております。
これは県立総合教育センターのほうに行かれる先生方にも、そういうものを個人でやるのではなくて、研究会をつくって取り組んでみてはどうかということを申し上げているわけですけれども、なかなかうまくいっていないという状況があるのですね。
私も児童・生徒の鑑賞会で学校を巡回しておりまして、これは一番多いときで年間20校ぐらい巡回しています。そのような状況でございましたので、今回見て終わりではなくて、今後それぞれの地域にある伝統文化を、どのように教材化して授業に取り組むかということを、ぜひ工夫してくださいということを申し上げています。
一部の先生方はそれではというので、民謡の歌詞を中心にしまして、国語の時間に和歌を勉強するときに、実は沖縄には琉球の歌謡、あるいは琉球の歌ということで琉歌というのがありますけれども、それを2、3作品として取り上げているという先生も中にはいらっしゃいます。
ところが、これは一教諭の関心止まりなのですね。それが学校全体として取り組まれているかというと、そうでもない。ほかにも国語の教諭はいるでしょうけれども、その先生のみがそういう授業をしているとかいう状況なのですね。
ですから、それがもう少し横、縦の連携がうまく図れれば、沖縄で地域の文化を教材化するということは、かなり有効的にできるのではないかということを思っているわけでございます。
とにかく、芸能の島と言われる沖縄でございます。これだけある素材を教材化しない手はないだろうというのが私の考えでございまして、今後、ぜひそういうことを頑張る先生方にやっていただきたいと思います。今日いらっしゃる学生さんの中にも、将来教諭を目指して、あるいは保育士を目指していらっしゃる方々もおいででしょうから、ぜひそれぞれの地域にあります伝統文化を教材化していただければと思っているところでございます。
いつまで続くか分かりませんけれども、教員免許更新のための講習会というものがございます。たまたま私は国立劇場におりましたときに、国立劇場でも実際に舞台芸能を鑑賞するということを含めて、講座一つを持ちますということを申し上げてきました。今度は立場が大学のほうへ行きましたので、国立劇場にもお願いして、ぜひ一科目は国立劇場で実施できるように協力してくださいということを申し上げてあります。
そのようにして、少しずつアクションを起こしていって取り組まなければいけないだろうと思っております。
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【参考資料】

「沖縄の伝統文化」

※資料随時追加予定