物質の種類は、私たちが知っているだけでも非常に多い。物質の種類の多さに比べると元素の種類は限られており、約100種類のものが知られているにすぎない。自然界では元素はどのように分布しているだろか。太陽系・地殻・人体を例にとって、それらに含まれている元素の割合を質量パーセントで示したものである。
 太陽系を構成している元素は、水素が圧倒的に多く、これらに次ぐヘリウムを合わせると約99%にもなる。これは、太陽系の質量のほとんどが太陽を占め、その太陽の質量の約99%が水素とヘリウムよりなるからである。
 私たちが住んでいる地球の表面部である地殻(地球内部の層構造のうち最も外側にある層)を構成する元素は、酸素が最も多く、これに次ぐケイ素を合わせると約75%にもなる。これは、地殻が主として火成岩を構成する鉱物の多くが、酸素とケイ素を主要な成分元素としているからである。
 人体を構成している元素は、酸素が最も多く、次いで炭素・水素・窒素の順になり、この4元素で約95%を占める。酸素が圧倒的に多いのは、人体が多くの水分を含むためである。次いで炭素が多いのは、人体をつくっている炭水化物・タンパク質・脂質などが炭素を主要な成分元素としているからである。
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