朗読ビデオ:MPG4.58MB 邦訳  注釈
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  INFANT SORROW


My mother groan'd! my father wept,
Into the dangerous world I leapt :
Helpless, naked, piping loud :
Like a fiend hid in a cloud.

Struggling in my father's hands,
Striving against my swadling bands,
Bound and weary I thought best
To sulk upon my mother's breast.




赤児の悲しみ

おっ母は呻いた、おっ父は泣いた
危険な世の中においらは飛び出した
寄るべなく、裸で、ひいひい泣いて
雲に包まれた赤鬼のように。

おっ父の手から逃れようともがき
むつき紐から身をほどこうとあがき、
縛られ疲れておいらは考えた、おっ母の
胸でむずかっているのが一番いいと。



 【注釈

3. piping loud 「ぴいぴい泣きながら」
4. cloud 無限の精神を閉ざす「肉体」
   cf. When I from black and he from white cloud free,
   And round the tent of God kike lambs we joy...
   - The Little Blake Boy (Songs of Experience), 23-24
6. swad[d]ling bands「むつきひも」(おむつの上から縛るひも)
8. sulk「むずかる」

>>以上参照:『ロマン派詩選』上島建吉解説注釈(研究社)

○ 本来はもっと長い詩であったが、ブレイクは最初の一部だけを切り離し"経験の歌"として
収めた。この詩は世の中の規則性や習慣等に拘束される者の苦悩、憤りを表現たといわれ、
そうした世の中で何かを模索しなければならない、といった窮迫感がうかがわれる。また、
世の中を両親と表現し、拘束されている者、つまりブレイク自身を赤児と表現し、大きく力強い
ものとの格闘を表現し得たともいわれる。
(→詩文についての詳細な説明はこちら

>>Edited by Kamiya

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