戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー 仲本實氏
11.石川難民収容所と終戦 (2)学校の始まり
- 仲本先生
- ある日ね、先生がね、先生が子どもをかき集めて歩くんですよ。要するに、追っかけて捕まえるんですよね。
- すると、だいたいの子は逃げているんですが、逃げたんですが、私も逃げたんですが、あの、結局ね、つ、子どもを捕まえて、学校連れていって、要するに教育をするというわけですね。
- で、私たちは遊んでばっかりいたんですけれども、僕の友達みんな捕まって、学校連れていかれたの。そうすると遊ぶ人がいないんで、仕方ないから私もついていっとったですが。
- そしてそこで、要するに、「君は何年生だ。名前は何という」なんていって、こう聞かれて、うーん、組分けするわけです。それで、私はつかまって、聞かれたときに、うそをついたんですね。ほんとは6年生ですが、「5年生です」と。
- で、私なりに、そのころ不思議に、理由があったんですね。要するに、6年生が5年生になると力強いから、けんかまで強いと。あれは泊校のあれですかね、延長ですかね、とにかくけんかが強いと。それから、学問したって僕のほうがいいんじゃないかな。要するに、1級上ですから。
- それから、もう一つね、一番心配だったのは、要するに父、母に会ったときに何と答えようかと。父や母に、は、会ったときに、その学年を下がったら怒られるはずなんです。
- それでね、この理由が面白いんですね。私なりにいまでも覚えてるんですが、うん。あのね、5年生のときにほとんど勉強してないから、うん、また下がったんだと、もっともらしい、その、理由をつけてあったんですよ。だから、お、おやじと、おやじやおふくろと会ったときには、そう言おうと言っていました。
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