戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー 仲本實氏
7.家族は難民収容所へ (2)家族との別れ
- 仲本先生
- そしたら山の中で、あれ、おばあちゃん、何か言ってるぞということでね、われわれ二人出ていったんです。出ていったら、「あんた方の家族ね、お、おふくろも全部、その、そこにおった人たち全部連れていかれるが、どうする、君たち」と言ったら、私たちはもう、どっちかというとね、意地になってるでしょう。
- あの、もう監視もしないといって、この山の中へ来てるわけですから、意地になってるから、行かないと。行かないということでね、あの、聞かないんですね。
- そうすると、おばあちゃんも、もう仕方ないから、あの、孫たち残して、その自分も出ていくわけにいかんから、じゃあ私も残るということで残った。
- ところがね、やっぱり心配ではあるんですよ。その、村の中にこう、と、下りていってね、その、おふくろたちが行っただろうところを、わあっと追っかけていったんですよ。追っかけていっても、でも会えなかったですね。
- ところが、ちょうどそのときに空のほうでね、あの、1機のゼロ戦をね、あの、4機のグラマンがこう、追っかけて、要するにそこで空中戦をしてるんですね。で、これは、しばらくしたらね、あの、機関砲からバリバリと、こう、やっておったんですが、し、しばらくしたら当たったんですね。
- それがね、もう真っ黒い煙と火に包まれて、真っ赤な火に包まれて、だけど、ビューンと落ちるかと思ったら、こんなして落ちていくんですよ。ひらり、ひらりと。木の葉が落ちるようにね、落ちて、あれ、飛行機っていったら、そんなに落ちるのといって、その、不思議がったことはありますけれども。まあ、空中戦で、初めてそんな空中戦を見たんですね。
- でも、すごく残念でした。日本の飛行機が落とされるわけですから、すごく残念だったですね。
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