戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー 仲本實氏
3.最初の爆音 (2)内地疎開始まる
- 仲本先生
- ところが、そのころからですね。いつのころかよく覚えてないんですが、要するに疎開の話の出たときでしょう。その後ですね。泊の小学校は兵舎になってるわけです。そして学校の生徒はね、あちこち、散って、あの、事務所、区の事務所あたりで勉強してるわけです。
- で、その、区の事務所で勉強をしているんですけれども、ある日ね、どうしたのか、その、意味はよく、こう覚えてないんですが、4、5名にたたかれたんですよ。そこには例の、と、泊小学校でこの、ボスがいたんですが、そのボスに誰も勝てないんですよ。
- けんかかっ、勝つにしても、この人には勝てない。なぜかというと、青年がつながってるんですね。お兄さんが。だから、この人をいじめると青年が出てくるんですよ。だから、この人を怖がって、誰も手出さない。
- で、私もこの人怖かったんで、うーん、4、5名に殴られて、(殴られ)るままにしておったんです。まあ、しまいには泣き出したんですが。そして、あの、考えたんですよ。一人一人は勝つのになあと。うん。一人一人は勝つのになあと思っておったんですが、それでももう、まあ殴られて、その、泣いて帰ったんです。
- そこ、帰りながらですね、こんなこと思ったんですよ。この子たちと疎開を一緒にすると、親も誰もいないところでいじめられはせんかなと。ということを、泣きながら、こう、うちに帰りながら考えたんです。それで、うち帰るまでには、もう決まっちゃった。よし、もう行かん。この子たちとは行かんということを決めてですね、で、その晩、えー、父と母に「僕は行かない」と、その、だだをこねてるわけです。
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