戦中・戦後の子どもの視点からのオーラルヒストリー 仲本實氏
3.最初の爆音 (2)内地疎開始まる
- 仲本先生
- ある日、学校へ行きましたらね、あの、内地のほうに疎開をしなさいというんだ。要するに、ここにおると、ここはたぶん戦場になるだろうと。沖縄は戦場になると。そうすると、そこに女や子ども、年寄りがいると、戦争のじゃ、兵隊さんの邪魔になると。だからなるべく、あの、本土に疎開をしてくれという話を先生から聞いたんですね。
- 私は、本土はあこがれてるわけですよ。内地に行くのは、すごくあこがれてるわけですから、うちに、その帰ったら、その、その父や母にうんと話をしたんですね。そして、「ぜひ行きたい」と。と、「ほんとに行きたいのか」「いいや、絶対に行く」ということで、その、言ったんですよ。
- そしたら、まあ、父も母も、まあこの際だから、やっぱり疎開さしとったほうがいいんじゃないのかなということでね。私とすぐの妹がおったんですが、この子と二人で、じゃあ疎開しなさいということで、リュックサックに缶詰めやら、特にスルメとかね。それからガーゼ、それから傷薬、包帯とか、ま、そういったのをリュックに詰めまして。それから着替え。
- それから、もう一つはね、縄をね、10メーターの縄、決まっとったんですが、10メーターの縄をこういうふうに結んで、こうくるくると巻いて、投げたら外れるようになっとったんですよ。それをここに、その、腰に下げていくようにということで、これも準備していたんです。
- その縄は何するかというと、やっぱり船が沈んだりすると、友達をこれで投げて助けたり、あるいは、そのいかだに、が浮いてると、そこに自分をくくりつけたりするための縄なんですよね。まあ、こんなして準備をしていたんです。
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