沖縄エイサーの歴史と沖縄の文化 宜保榮治郎氏
7.沖縄の獅子舞
- 聞き手1
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それで、ちょっと先生、外から来たということでお聞きしますけれども、この前、普天間宮の獅子舞を見させていただいたんですね。あの獅子舞というのは、中国のとよく似ておるんですね。ああいうものはやっぱり向こうから来たものなんですかね。
- 宜保先生
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そうですね。獅子舞の衣装なんかを見ますと、韓国とは違うんですよ。韓国の獅子舞というのはざっとしたもので、はりぼての簡単なものですよね。だけども、沖縄の獅子舞も中国の方も、きっちりつくっていくんですね。私が沖縄の獅子舞は中国から来たんじゃないかと思ったのは、「文芸春秋」に東南アジアの華僑のまちの祭りが出ていまして、そのときに獅子が2~3頭連れ立ってまちを歩いているんですよ。これが沖縄とそっくりなもんですから、これは間違いなく沖縄の獅子は中国系統だなあと思いまして、その後、また韓国のものを見ますと、韓国のものは、獅子の面なんかいろいろ考えますと、どうも独自のあれをやったか、向こうも中国から来たんでしょうけども、そんなに発達していないんですね、沖縄のようにね。
- 聞き手1
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沖縄の獅子舞というのは非常に興味があるんですけどね、おもしろいなと思って。ああいう毛が生えたような感じがしましてね。
- 宜保先生
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非常にリアルに近くなりますからね。
- 聞き手1
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あれはよそではちょっと見られん、特に韓国とかあっちの方では見られない。
- 宜保先生
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そうですね、2人で入る形で。本土の場合も大昔、最初のころはそういうふさふさとした毛だったんですけど、いつの間にかあれは布に変わったんでしょうかね。
- 聞き手1
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そうですね。あれが寂しいと思いますね。
- 宜保先生
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しかし、本土のまた芸能人は、抽象化して非常にすばらしいということを言っていますよ。
- 聞き手1
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我々は見ておりますと、いやあ、すごいなあという気が。
- 宜保先生
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だから、大和のものはもっと古い時代に中国、韓国の影響を受けたもので、独自に発達したんでしょうね。だから、こちらから来たものと、朝鮮から来たものと、大和から来たもの、タイは南方から来たものを実態調査をしながら、こうして。そしてもう一つは、やっぱり沖縄独自に生み出された祭りとか芸能が、またこれがそうかもしらんというふうにして、いろいろ分析してみたいという感じがしますけどね。
- 聞き手1
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しかし獅子舞は、やはりあの形で残していただかないと。ただ、時々見ておりますと、ここの空港でも獅子舞をやっておられますけど、もう少し原形に近いものやってあげるといいかなと。
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