沖縄修学旅行おぅらいデジタル・アーカイブ
沖縄の伝統文化

沖縄の伝統文化を学ぶ 大城學氏

3.宮廷芸能について


沖縄の伝統文化を学ぶ
大城學氏

3.宮廷芸能について
(3)雑踊り

そして廃藩置県以後になりますと、「雑踊り(ぞうおどり)」ができるわけですね。宮廷でありましたときには、王府にいる役人と中国からやってきた冊封使しか鑑賞できなかったのです。庶民は、その芸能を鑑賞することができませんでした。
廃藩置県になりまして、芸能の担い手でありました王府の役人たちが、王府がなくなったことで禄を失ってしまうわけですね。王府時代は役人であると同時に芸能者でもあったわけですから、ちゃんと給料が出ているわけですが、王府がなくなりまして彼らは、さあ、これからどうしようかということで、ずいぶん迷ったと思います。
芸は身を助けるでありまして、まさに自分たちが持っていた芸を一般の方々に公開し、それによって入場料をいただいて生活するというようなことを始めたわけです。首里から商業町の那覇へ下りまして芝居小屋を掛けまして、そこで彼らが持っていた芸能を披露したわけでございます。一般の方々も、首里城でどういう芸能があったのかというので、興味津々で見に行くわけですね。
ところが、2年も3年もすると、だんだん行かなくなる。そこで芸能者たちは、「どうして来ないんですか」ということを聞くわけですね。「あなた方の踊りは、もう充分鑑賞しました」ということで、「何か新しいものをやってくれないか」という注文を出すわけです。
例えば、琉球古典音楽というのが宮廷でつくられるのですけれども、そういう荘重なメロディーの音楽に合わせての踊りではなく、はやりの民謡とかそういうもので振り付けができませんかと。紅型衣装は取って、紺地の琉球絣ですとか芭蕉布の着物とか、そういうものを着て踊りができませんかと。足袋を外して素足で踊れませんかとか、さまざまな注文をつけるのですね。
それに芸能人が応えたわけでして、それで新しい踊りというのが出てくる。これが雑踊りと言われるものです。そういうものが舞踊としてあるわけです。
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【参考資料】

「沖縄の伝統文化」

※資料随時追加予定