岐阜女子大学が平成16年度に文部科学省に現代GP(現代的教育ニーズ取組支援プログラム)に選定され、その成果の報告会として開催いたしました。
 沖縄を始め、全国から大学、企業、学校教育、図書館、博物館などの各分野の方達に参加いただきました。

◆参加者数 133名
   <出版/IT関連等企業 17名>
   <社会教育/博物館/図書館関係者 12名>
   <教育委員会関係者 6名>
   <小学校/中学校/高等学校/大学関係者 12名>
   <その他 86名>

 平成18年11月11日に現代GP「デジタル・アーキビストの養成」成果報告会を実施した。

 当日はデジタル・アーキビストの養成の現状〜カリキュラム・教材と実践〜と題した現代GPの成果報告と、国立科学博物館館長佐々木正峰先生(元文化庁長官、元文部省高等教育局長)による特別講演「文化の伝承と課題」、さらに、白山文化を次の世代に残す〜白山文化の宝庫岐阜「長滝・白川・高山の証」および、デジタル・アーキビストの今後の課題〜図書館・博物館・学校・企業・メディアでの活躍〜と題する2つのシンポジウムを開催した。これらの詳細については本ホームページに概要を掲載予定である。

 当日の報告会には、小学校から大学までの各学校関係者、教育委員会関係者、社会教育関係者、出版やIT関連の企業関係者、大学生など133名の参加を得た。

 なお、あわせてデジタル・アーカイブ関連撮影・編集等機器、デジタル・アーキビスト養成テキストおよび教材、デジタル・アーカイブ作品等の説明及び展示を行い、多くの関係者の関心を引いた。これらについて、その詳細を本ホームページ上に掲載した。
報告の様子・報告論文・展示の様子をご紹介いたします。
 


岐阜女子大学 堀 幹夫 学長挨拶
◆挨拶の詳細はこちらからご覧いただけます◆

 

 報 告
  岐阜女子大学 文部科学省現代GP
        
                  高校、大学、大学院、社会人の教育
  デジタル・アーキビストの養成の現状 
     〜 カリキュラム・教材と実践 〜
               岐阜女子大学文化創造学部 文化情報コース

岐阜女子大学 谷口 知司 教授
◆報告書はこちらからご覧いただけます<PDF 9.74MB>◆

 

 特 別 講 演

 文化の伝承と課題
  
  
 国立科学博物館
          館長 佐々木 正峰 先生

               (元文化庁長官、元文部省高等教育局長)


 

 
 シンポジウム1
 
 白山文化を次の世代に残す
    〜白山文化の宝庫岐阜「長滝・白川・高山の証」〜

◆ 総合司会: 浅野 弘光 (岐阜女子大学教授・元岐阜県歴史資料館館長)
◆ 提 案 者: 若宮 多門 (白山長瀧神社 宮司)
  和田 正人 (国重要文化財和田家 館長)
  森瀬 一幸 (高山市教育委員会 教育長)


総合司会: 浅野 弘光


若宮 多門 (白山長瀧神社 宮司)


森瀬 一幸 (高山市教育委員会 教育長)


和田 正人 (国重要文化財和田家 館長)


 
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 シンポジウム2
  デジタル・アーキビストの今後の課題

    〜図書館・博物館・学校・企業・メディアでの活躍〜

◆ 総合司会: 坂井 知志 (常磐大学大学院教授)
◆ 提 案 者: 馬場 祐次朗 (国立教育政策研究所 社会教育実践研究センター長)
  廣田 英樹 (奈良産業大学 情報処理教育センター長)
  古川 和明 (岐阜県博物館 館長)
  田嶋 清子 ((株)レ・サンク 取締役)
◆ 指定討論者: 若山 皖一郎 (十文字学園女子大学教授)


総合司会:坂井 知志


馬場 祐次朗 (国立教育政策研究所 社会教育実践研究センター長)


廣田 英樹 (奈良産業大学 情報処理教育センター長)


古川 和明 (岐阜県博物館 館長)


田嶋 清子 ((株)レ・サンク 取締役)


若山 皖一郎 (十文字学園女子大学教授)

 

 
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 −展 示−
  白山文化、延年の舞、高山、白川郷、和田家、沖縄、木田宏教育資料などの
   デジタル・アーカイブの展示
◆展示内容はこちらからご覧いただけます<PDF 271KB>◆

撮影台

岐阜女子大学デジタル・アーキビストテキスト

・ 情報記録検索演習
・ マルチメディア演習
・ メタ情報処理演習
・ 基礎学習
・ 情報と人権
・ 文化情報システム
・ マルチメディア
・ 文化情報処理
・ 文化情報メディア
・ 文化情報と流通
・ メディアと著作権
・ デジタル・アーカイブ
・ 著作権
・ 商標権
・ 意匠権
・ 実用新案権
・ 特許権
・ 知的財産権
・ 個人情報
・ プライバシー
・ 教育情報

岐阜女子大学デジタル・アーキビスト教材

No. 教材内容
教材01 長滝白山神社六日祭「延年の舞」
教材02 毛越寺二十日夜祭「延年の舞」
教材03 沖縄舞踊「エイサー」
教材04 じゃんがら念仏踊り
教材05 北海道開拓の村
教材06 名鉄岐阜路面電車
教材07 飛騨高山古い町並
教材08 世界遺産白川郷 和田家
教材09 岐阜県道の駅周辺文化施設
古今伝授の里やまと 古今伝授の里
フィールドミュージアム
教材10 郡上おどり
ハイビジョン動画撮影
ハイビジョン動画編集機

木田先生を偲んで
〜「木田宏オーラルヒストリー」〜

故木田宏氏(元文部事務次官)のお話しとお話しに関連する資料をまとめたオーラルヒストリーのデジタル・アーカイブをDVDでご覧いただきました。

主な内容
・兵役
・文部省入省
・あたらしい憲法のはなし・民主主義上下
・米国教育使節団報告書
・教科書の発行に関する臨時措置法
・教育委員会制度

◆さらに詳しい情報はこちらからご覧いただけます


8方向静止画撮影

4方向動画撮影
白山文化 展示
展示説明の様子
 
 

 

「今後の事業への反映」

報告「デジタル・アーキビストの養成の現状」
 他大学の関係者から岐阜女子大学のカリキュラムの利用についての希望が多かった。とくに、展示会場で展示をした「テキスト、デジタル・アーキビスト教材」を、他大学でも利用できないか、との質問が多くあった。
 岐阜女子大学としては、これらの要望に対し、図書館・博物館等の施設、著作権、大学関係者等の研究者の支援も得て、さらに改善し、広く利用されるテキスト、教材作成を進め、公開する予定である。
 また、岐阜女子大学文化創造学部の文化情報コースを中心にしたカリキュラムにより、学生がすでに日本デジタル・アーキビスト資格認定機構の資格を取得していることに注目された。今後さらに、資格取得を目的とした教育カリキュラムを構成する予定である。

講演「文化の伝承と課題」佐々木 正峰 先生
 文化芸術振興基本法を中心にした芸術文化活動の支援、周辺環境も含めた文化的保護、さらに国立科学博物館の現状(情報化)について高い関心が集まっていた。岐阜県産業界の出席者が、博物館の資料の情報化とその知的財産の活用に注目されていた。今後岐阜女子大学デジタル・アーキビストの養成を積極的に博物館から産業界まで広く知的財産の活用の視点で広報、講習会を展開する予定である。

シンポジウム1「白山文化を次の世代に残す」
 岐阜女子大学が県等の協力で進め、学生のデジタル・アーカイブ実践の場として「白山ゾーン」の指導者によるシンポジウムは、文化を残す重要性、とくに、文化財としての、物から芸術文化活動、生活文化活動も含めた学習実践の場での活動に多くの関心が集まった。
 本学としては、デジタル・アーキビストの養成として、世界文化遺産、国指定重要文化財、昔からの芸術文化、生活文化の存在している学習ゾーンの整備を進め、今後、本学以外のデジタル・アーキビストの専門家の育成にも適用できるように利用計画を立て、その実現に向けた教育実践を発展させる。

シンポジウム2「デジタル・アーキビストの今後の課題」
 デジタル・アーキビストと学芸員、司書、社会教育主事等との相互乗入の視点の重要性の指摘、他大学教育での今後の展開、企業での立場、博物館での活動などに注目された。
 とくに、シンポジウム後に、学芸員、図書館司書デジタル・アーキビストが連携した本学の教育体制についての要望があった。
 このため、今後岐阜女子大学として学芸員、司書とデジタル・アーキビストの融合カリキュラムを検討し、大学から大学院まで一貫した教育システムを構成する予定である。

 

日 時 平成18年11月11日(土) 10時〜16時00分
場 所 岐阜女子大学文化情報研究センター 6階大ホール
     岐阜市明徳町10番地 杉山ビル