沖縄の伝統文化を学ぶ 大城學氏

７．伝統芸能の学習３（石垣島の事例）

沖縄の伝統文化を学ぶ
大城學氏

７．伝統芸能の学習３（石垣島の事例）
（２）都市部における課題

そういう実践事例をずっと見ておりましたら、彼女は石垣市ですから都市部の保育所にいまして、石垣市の都市部のほうでも祭りは行われているのですけれども、都市部の園児とか小学校・中学校へ行く子どもたちというのは、必ずしもその土地で生まれ育った人ではないわけですね。離島から来たりしている人たちもいるわけでして、保育所でこれだけ子どもたちが興味を持ったものというのが、実は小学校・中学校で実践されていないというところがあるわけですね。

実はそこが、都市部における課題と言えば課題なのですね。離島などの小さな小学校であれば、保育園児から小学校・中学校までと、ずっと継続的に地域の伝統芸能を取り入れたカリキュラムが組める状況にあるのですけれども、都市部ではなかなかそれができないというのが、実は東嵩西のり子さんの悩みなのですね。

それも先ほど申しましたように、彼女が赴任する保育所で実践しているのであって、なかなかほかの保育士たちは、そういうものに取り組みきれないということがあります。それで彼女は保育士を集めての勉強会とか、そういうことはやっているのですけれども、一人、二人というようにして興味を示して、実際にやっていることもあったそうですが、なかなか継続できないというのがありました。

それから、小学校・中学校に行きましたら、先ほど申し上げましたように、あれだけ地域のわらべ歌などに関心を示していた園児たちが、学校で歌える環境がないわけですね。ですから、これもまた保育園止まりになってしまうという現状がありました。

【参考資料】