[3] 沖縄の住まいについて
3-4 沖縄独特の風習に基づく住まい
沖縄では中国と日本本土の両方の文化の影響を受けながら、独自の発展を遂げてきた風習が見られます。いくつか例をあげてみてみましょう。
◆ 風水は沖縄でも活躍?
風水は今では一種のブームにもなっていますが、沖縄の住まいづくりでも風水が重要な役割を果たしてきました。サンゴ石の石垣には南側に一部開いたところがあり、そこが入り口となっていますが、これも風水の考え方によるものです。 また、家の中の間取りでは、南東が最も良く、北西が最も悪い位置とされ、南東にはお客さんを通す部屋などが置かれ、北西には後に述べるフール(トイレ)などが配置されます。
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◆ 魔物から守られた住まい?
沖縄の住まいや街には色々な魔除けがみられます。みなさんよくご存じのシーサーは厄災から家族を守るためのものですし、サンゴ石の石垣の入り口から入ったところに設けられる衝立(ついたて)のようなヒンプンも魔物が家の中に入ってこないようにする役割を持っています(もちろん風除けやプライバシーを守る役割も持っています)。
また、街の中を歩いていると道が突き当たる所に「石敢當(いしがんとう)」と書かれているものを見つけることができますが、これも魔除けです。沖縄の魔物は真っ直ぐにしか進めないことになっているため、ヒンプンや石敢當が生まれてきたのです。
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◆ トイレは外の豚便所?
伝統的な沖縄の住まいのトイレはフールと呼ばれ、母屋とは別棟につくられ、豚小屋を兼ねていました。沖縄では「鳴き声以外は全て食べる」と言われるほど古くから豚を食す食文化があり、生活と豚はきってもきれない関係にあります。人が排泄し、それを豚が食べ育ち、それを人が食べるというとってもシンプルで直接的な関係がここにはあったのです。なお、現在では衛生上の問題から使用されるフールはなくなっています。
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