文部科学省現代GP選定岐阜女子大学デジタル・アーキビストの養成 学生の実践活動 学生の成果物
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大学生のデジタル・アーカイブに関する実践的研究(卒業論文)の紹介

平成16年度文部科学省の現代GPに岐阜女子大学“デジタル・アーキビストの養成”が選定され、本年(平成18年度)が完成年度となります。この間に多くの学生はデジタル・アーキビストとして授業を受け、その成果として、卒業研究でデジタル・アーカイブに関する実践的な研究を進めてきました。
卒業研究の成果について紹介します。

 
「文化活動等のデジタル・アーカイブ化のための多方向同時撮影について」<PDF891KB>
久田 由莉
 デジタル・アーカイブの記録方法の一つとして、デシタルカメラで8方向からの同時撮影、4方向からハイビジョンで撮影する方法を研究開発し、国指定重要無形民俗文化財である長瀧白山神社「延年の舞」、郡上踊、水野政雄氏の「おもしろ紙おもちゃ」を記録しました。
長瀧白山神社「延年の舞」、郡上踊では多方向から所作を正しく後世に伝承・記録する方法、紙おもちゃでは技術・技能を伝える新しいデジタル・アーカイブ化の方法として注目されています。 
 
「世界遺産白川郷和田家のデジタル・アーカイブ化」<PDF404KB>
大澤 浩子
 世界遺産白川郷の和田家(国重要文化財)について和田家の和田正美氏、和田正人氏(博物館和田家館長)のオーラルヒストリーを中心にして各種情報を組織化したデジタル・アーカイブを制作しました。
これは、これまでのデータベースを用いた資料提示から各種情報を構造化したデジタル・アーカイブのプレゼンテーション構成法として注目されています。
 
「沖縄の芸能文化のデジタル・アーカイブ化の研究」<PDF926KB>
張 恵琴
 沖縄の芸能文化の伝承について、元沖縄県立博物館館長宜保榮治郎氏のオーラルヒストリーを中心に古くから沖縄に伝えられてきた芸能を東北地方の「じゃんがら念仏踊(福島県いわき市)」や中国から伝えられた芸能文化との関係を調査記録し、デジタル・アーカイブを構成しました。
これは、地域文化の伝承を広域の文化の伝承とともに研究するデジタル・アーカイブとして注目されています。
(さらに今後中国で実際に調査し、沖縄の文化交流に関するデジタル・アーカイブの研究を進めます)
 
「道の駅のデジタル・アーカイブ化を用いた地域文化情報資源活用の研究」<PDF658KB>
白木 希
 「道の駅」がもつ情報と周辺地域の文化・自然・産業等の情報について、県内の多くの道の駅を対象に調査記録し、道の駅を中心とした地域情報のデジタル・アーカイブの構成方法を研究し、情報発信を可能にしました。地域の情報発信源である道の駅の役割の一つとして注目されています。
 
「デジタル・アーカイブの構成・利用に関する評価」<PDF412KB>
根本 亜弥
 デジタル・アーカイブが企業、地方公共団体、学校、博物館、図書館など、いろいろな分野で作られるようになりました。そこで、その利用者によるイメージ調査評価等を実施し、因子分析等を用いて調査項目を管理し、評価資料を作成しました。
今後、デジタル・アーカイブは、創作とその評価・改善といった一連のシステムを構成する必要があり、その試行研究として注目されています。
 
学会(年会)発表
 学生により、このようなデジタル・アーカイブにおける撮影記録の新しい方法の開発、デジタル・アーカイブの構成・利用から評価などの研究を進めました。これらの一部は平成18年8月の岡山の学会で発表しています。
 また、大学院文化創造学研究科の院生稲垣道子さん(金沢大学・岡崎北高等学校出身)は地域文化のデジタル・アーカイブの創作・保存・活用にあたって、著作権・所有権・プライバシー、個人情報等の諸権利と地域の慣習との関係について、実践例を調べ、その問題点と今後の課題について研究を進めました。この研究については、別に報告します。
 このように、大学生のデジタル・アーキビストの養成として、撮影・記録から知的財産権、評価までの学習および学生による文化財等の資料の撮影・記録、知的財産処理、組織化、保存、利用、評価までの一連の研究を進めてきました。また、学生は、各撮影・管理・利用のデジタル・アーカイブ開発研究のプロセスで、知的財産権、プライバシー、所有権などの課題について実際に対処し、実践力をつけました。
 デジタル・アーキビストは、いろいろな面での実践が要求され、卒業研究も同様で、いかに力をつけるかが問われているのが現状です。