京都の祇園祭りや秩父祭りと並んで日本の三大美祭の一つに数えられる春の高山祭りは日枝神社の祭礼で安川通り以南が氏子である。４月１４日・１５日の祭礼には国の重要有形民族文化財に指定されている絢爛豪華な１２台の屋台の曳き揃えや厳かな御神幸行列が氏子内を巡行し、地元をはじめ全国各地から２１万人を超すおおぜいの見物客で賑わうが、この祭りは昔から「山王祭り」として親しまれて高山は勿論、近在近郷の人々にとっても待ち焦がれる楽しい祭りであった。
日枝神社の旧表参道と社殿･御輿蔵
日枝神社の旧表参道は長い石段を残すのみとなったが、祭礼当日はこの石段が神事にも用いられ、石段下の広場に屋台も駐台して神前に奉納される。この石段を上ると赤い鳥居をくぐり社殿の正面に出る。社殿は安永８年（１７７９）に建てられたもので、三方に縁がついた寄せ棟造りで、屋根の中央に「しころ屋根」と言われる大きな段のある珍しい建物である。社殿内部には江戸時代頃からの絵馬が飾られている。拝殿下の境内には２基の御輿を格納する蔵があり、祭礼両日は扉が開かれ満装美の御輿が公開されている。
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