W美濃の窯業生産


 美濃は古くから窯業の盛んな地域として知られています。現在の各務原市北部の山地や丘陵上には、古墳時代後期から鎌倉時代にかけて、須恵器・灰釉陶器・山茶碗を焼成した古窯跡が集中しており、それらは美濃須衛古窯跡群と呼ばれています。
 また、現在の多治見市・土岐市を中心とする地域に広がる東濃古窯跡群は、桃山時代から江戸時代にかけて志野や織部をはじめとする多彩な施釉陶器を世に送ったことで知られていますが、それ以前から灰釉陶器や山茶碗の一大生産地としての地位を占めていました。
 当センターでは、平成5年から8年度にかけて、各務原市船山北古窯跡群の調査を行いました。各務原市須衛4丁目の丘陵上に位置し、美濃須衛古窯跡群については多治見市の北小木古窯跡群において山茶碗窯の調査を行っています。

「いにしえの美濃と飛騨」図録(財団法人 岐阜県文化財保護センター)より抜粋