T旧石器時代・縄文時代のくらし


 旧石器時代は小集団ごとのキャンプ生活を送っていたと考えられています。この時代の遺跡では、石器や石片(石器を作るときにできる破片)、赤く焼けた石や炭化物の集中するところがみられます。これは、当時の人々が石器を製作したり、火を焚いたりした痕跡です。寺屋敷遺跡(藤橋村)でも石器や石片が集中して出土しています。

 縄文時代の人々は森で実ったドングリ・クリ・シイなどを土器に入れて煮炊きしたり、アク抜きをしたりして食べやすくしました。また、弓矢・釣り針・網などを使って、動きの速い中型・小型の動物や魚・貝などを捕らえて食べました。さらに、イモなどを掘るための土掘り具や木の実をすりつぶすための石皿や磨石なども作りました。このような道具の変化とともに縄文時代の人々は竪穴住居を中心としたムラを作り、移り住む生活から一つの場所で定住生活をするようになりました。

「いにしえの美濃と飛騨」図録(財団法人 岐阜県文化財保護センター)より抜粋