結(ユイ)とは・・・

 地域の人々による相互扶助。金銭や物で返すのではなく、原則として一人に対して一人返す(ユイガエシ)というほぼ対等な労働力交換。

屋根葺き作業においては・・・
 地区を挙げての作業であり、合掌集落の人々の近隣生活とその結びつきを表している。
合掌造り成立以後続いているためその歴史は古い。

 

成立背景

 白川村の集落が山間部に孤立し、冬には雪に閉ざされ、各集落が孤立を余儀なくされる厳しい自然条件におかれていたため、家が単独で生活を維持するのは大変困難だった。

 

結(ユイ)が機能するとき

今は・・・

屋根葺き
(近年では、ユイが機能するのは屋根葺きに限られてきている)

昔は・・・

屋根葺き・田植え・稲の刈り取り・養蚕・材木の伐採など

 

結(ユイ)が行われる範囲(屋根葺き)

今は・・・

 同地区の住民・ボランティア・白川中学校・高山西高等学校・恵那北高等学校生徒(生徒らは、地域文化を知る体験学習の一環として参加)

昔は・・・

 家の規模によって異なる。荻町は7組に分かれており、戸数の多い組は35戸、少ない組は15戸で、合計150戸ほどから構成されていた。ユイが組まれる範囲は、家の規模が大きい和田家・大泉家を除き、所属組と両隣組という3組の範囲内で行っていた。
(『新編白川村史』下巻 平成10年3月31日 白川村)

 

ユイガエシ(屋根葺き)

今は・・・

 合掌造りの家が少なくなっているため、合掌造りの家を持つ人以外の人々が多数参加している。そのためユイガエシが行われることも少なくなっており、人々の善意によって成されているという印象が強い。

昔は・・・

 自分の家の葺き替えを手伝ってもらった人の家の葺き替え時には、必ず家の誰かが手伝いに出ていった。