ソクガヤ ソクガヤとは、屋根の隅(角部)に茅をつけていくことです。これが、その次のツケガヤ作業の起点ともなるという、葺き替えの土台部分の作業です。屋根の妻や軒は風雨にさらされたり茅の重量を受けて痛みやすいので、それに対処したものです。妻と軒につけられるソクガヤとツケガヤは茅を束ねてつけられます。茅はばらばらの状態では弱いのですが、束ねることによって力が倍増するからです。
ツケガヤ ツケガヤは、ソクガヤの部分を起点として、妻と軒に茅を葺いていく作業です。ツケガヤがつけられることによって、屋根の周囲が固められます。ソクガヤと同様に妻や軒の補強の役目を果たしています。ツケガヤは屋根の隅につけられたソクガヤから上の方へ、そして左右へと展開し、妻と軒を固めていきます。
フキガヤ フキガヤは、屋根の周囲を固めた後、屋根の厚みをつけていく作業です。茅をばらした状態で葺いていき、ネソやヌイボク・クダリで挟むかたちで茅を押さえ、縄で結束して縫っていきます。このフキガヤの作業が10〜15段ほど繰り返され、屋根の最上部まで葺いていきます。
ムナガヤ 屋根の両側から葺き上げられた茅を棟で合わせます。茅を棟でへの字に折り曲げ、棟に覆いかぶせます。ムナガヤは、その上に葺いていきます。
仕上げ 妻の部分の茅をはさみで切り揃えます(肩きり)。

●作業手順については、『新編白川村史』下巻(平成10年3月31日・白川村)参照