和田家 〜活き続ける合掌造り家屋〜

 世界文化遺産である白川村荻町集落が一望できるという城山。荻町集落の写真の多くはこの城山からの眺めであると言われますが、その一番手前に位置しているのが、和田家です。
 荻町集落の北端に位置する和田家は、白川村に現存する合掌造り家屋の中では、最大の規模をもち、主屋は国・県重要文化財、板蔵・稲架小屋は県重要文化財に指定されています。
 和田家の建築年代は明らかではありませんが、同家の過去帳の記録などにより、約300年は経ていると推測されています。
 現在も、住居として用いられ、またご家族のご好意により、一部が一般公開されています。
 和田家の重厚な造り、黒光りする太い柱などをみるとき、私たちは、代々名主を勤め、牛首口留番所役人も勤めていたという時代から現在までの和田家が刻み続けている何百年もの生活の歴史を感じずにはいられません。
 無人の文化財として保存されるのではなく、300年の時を超え活き続ける文化財、それが、和田家なのです。

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