白川村荻町合掌集落

白川村荻町合掌造り集落は、国の重要伝統的建造物群に選定され、1995年にはユネスコの世界遺産にも登録された、合掌造り家屋の建ち並ぶ集落です。
かつては、岐阜県の西北部に位置し東西南北を山や峠に囲まれているという土地柄ゆえに、秘境中の秘境であった集落でした。
白川の地に受け継がれてきた「結」と呼ばれる地域的合力組織は、こうした厳しい地域的状況の中で生まれた相互扶助の精神です。
「結」は、近隣の協力体制として、合掌屋根の葺き替えをはじめとした生活全般を対象としていたと言われますが、現在も屋根の葺き替え作業において受け継がれています。
さて、現在では、国道などの整備により、多数の観光客らが世界遺産・白川郷を訪れるようになりました。このような現代において、昔ながらの家屋を維持していくことは容易ではないと思われます。しかし、地域の住民や関係者たちは、1971年より集落保存を掲げた住民憲章を定めて保存会を組織するなど、集落保存に積極的に取り組んでいるといいます。ここにも「結」の精神が息づいているといえましょう。

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