☆基礎知識☆

☆95回カンナの咲き乱れるはて☆

 カンナの咲き乱れるはて              作・こばやし ひろし              

☆95回カンナの咲き乱れるはて☆

95回カンナの咲き乱れるはて

 終戦から50年をむかえ、戦争で犠牲になった死者たちも無縁仏になるのときをむかえようとしていた。しかし、彼らはそのことに納得がいかなかった。戦地におもむき、敵兵に殺さた者、不衛生の中、病気で死絶えた者、隊についていけず自ら命を絶った者・・・戦争は多くの人間の命を次から次へと奪っていった。  そこへ、戦争へおもむき生き残った男・吉田と夫を戦争で失った女・秀子、そして記者は彼らが眠る墓へ取材にやってきた。そして、当時の様子を赤裸々に話し始めた。話しながら、吉田はカンナの花の咲く大地を思い出していた。戦友たちが眠っている大地を・・・そして、吉田たちは記者の"戦友の眠っている大陸を訪ねましょう"という言葉のままに、中国大陸を訪れることになった。そして、この墓地で眠っていた死者たちもまた、彼らと一緒に己が土にかえった大陸へ行くことにした。そこは、五十年前とまったくかわっていなかった。山も、豊かな緑の田畑も、そして美しいカンナの花も・・・

劇団はぐるまの世界