☆基礎知識☆

☆ブッダ☆

ミュージカル「ブッダ」―王舎城の悲劇― こばやし ひろし 作☆ブッダ☆

ブッダ。

ブッダが修行をしていると、従兄弟のアーナンダが駆け込んでくる。ブッダの祖国シャカ国がコーサラ国に攻め込まれたため、祖国を救うために至急帰国してほしいとアーナンダはいう。が、ブッダはシャカ国はいずれコーサラ国に滅ぼされる運命にあり、それを自分の力で変えることはできないとアーナンダの願を退ける。居合わせたビンバシャラ王が、シャカ国を救うために兵を貸すと申し出るが、たとえ今ビンバシャラ王の好意を受けて一時をしのいだとしても、恨みは増し、因果は巡り、惨劇はくりかえされるだけだとブッダは断るのである。 一方世継ぎを願うビンバシャラ王は、占い師の言葉に従がいビプラ山の仙人を殺させ、待望の世継ぎを得るが、その子に20年後に殺されるという予言も受ける。ビンバシャラの苦悩に対して、ブッダは、この世に生きるものはいずれは死ぬ運命にあるが、人間だけがそれを知っている。大事なのは、死すべき運命を知っているという業から解脱する道を探ることであるとビンバシャラを諭す。 幕切れ、実の子アジャセに幽閉され、食もたたれたビンバシャラは、死に臨んで生きる喜びを知り、生への執着も断つことができた。大きな苦しみがビンバシャラ王を変えたのである。(三宅 茜巳)

劇団はぐるまの世界