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多治見市陶磁器意匠研究場(多治見市) |
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多治見市陶磁器意匠研究所は、そもそも昭和26年に美濃焼上絵付(うわえつけ)研究所として設立されました。 美濃焼の質の向上を願い、後継者育成と陶磁器全般にわたる技術の研究・相談などおこなっています。 全国の美術大学などで陶芸を学び、さらに勉強をしたい人たちを中心に全国から生徒が集まり、2年間この意匠研究所で勉強をしています。 すでに500人以上の卒業生がいて、地元で美濃焼の発展のために力を発揮しているそうです。
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ぼくは、意匠研究所の石塚さんに協力していただき、質問に答えていただきました。 | |
質問1 意匠研究所では、デザインの研究をしているそうですが、どんなデザインの研究をしているのですか? | |
⇒ 「陶磁器の素材の形やパターンなどのデザイン開発から、売り方のデザインまで幅広く研究をしています。」 売り方をどうデザインするのかとても不思議でした。
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質問2 コンピュータを使ったデザインでは、どんなことができるのですか? | |
⇒ 「陶磁器の形や絵がらをコンピュータを使ってデジタルデータにして、それを製版しフィルム化もします。」 コンピュータを使えば確かにいろいろなデザインができるし、新しい陶磁器の開発にコンピュータは欠かせないだろうなと思いました。
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質問3 意匠研究所では、 セラミックス・ラボの研究をしているそうですが、セラミックス・ラボって何ですか? | |
⇒ 「平成15年4月から開設されたコースです。デザインの実習から、商品の企画や販売の仕方を勉強し、実践的なデザイナー、プランナーの養成をします。英会話やインターネットなどのコミュニケーションの勉強もしています。」 玄関にセラミックス・ラボで勉強している生徒さんの作品が飾ってあるので見に行くことにしました。 | |
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意匠研究所の玄関には、セラミックス・ラボで勉強している生徒さんの作品が並べてありました。 このコーナーを見て、陶磁器をどのように作って売るのかをデザインしていることの意味が、ようやく分かってきました。 |
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お話をうかがう中で、植木鉢やしょう油さし、湯飲み、カップの違いを説明してもらえました。素地(きじ)の違いによって、こんなに違う陶磁器ができることがよく分かりました。特に底の部分を見ると、その違いがよく分かります。 |
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質問4 「売り方の工夫」ということがまだよく分からなかったので、「多治見市や土岐市など、同じ美濃焼を作っている町ごとに、具体的にどのような売り方の工夫をしているのですか?」と大塚さんに質問してみました。 | |
⇒ 「今瑞浪市では洋食器をヨーロッパに輸出する計画を進めています。かつて陶磁器を東南アジアを中心に輸出していた時期もありますが、今瑞浪がやろうとしていることは、高級洋食器をヨーロッパで売ろうとしているのです。」 ぼくは美濃焼を作っている人たちの技術はすごいので、きっとヨーロッパでも売れるのではないかと思いました。 「土岐市では、1日に20万個陶磁器を生産できるぐらい大量生産のできる陶磁器工場があるので、大量に生産し、買ってくれる相手を探しています。100円ショップがその例です。」 なるほどと思いました。確かに100円ショップにはお茶碗やや湯飲みも売っていると思いました。 「多治見市は、商社(しょうしゃ)が多く、陶磁器を作るだけでなく、たくさん全国に向けて売っているので、どのように売っていくのか売り先を見つけることが大切です。」 バブルの頃は、結婚式の引き出物にたくさんの陶磁器が飛ぶように売れてたそうです。それは使いやすいということ よりも、値段の割に豪華そうに見える陶磁器は、結婚式の引き出物を、あげる側の気持ちが優先されたからだそうです。もらった人は、その陶磁器をそのまま押し入れにいれてしまい、使われることはなかっったそうです。そこで、最近では、結婚式の引き出物 にはカタログから好きな物を選ぶようになったそうです。すると、重い陶磁器が使われることがなくなり、陶磁器が売れる場がどんどんなくなっていったそうです。今は、自分で使いたい食器を食卓に並べる時代になったので、生産をする側もどんな焼き物を焼けばいいのか工夫が必要です。 「笠原町では、タイルの生産で有名でしたが、お風呂場などでタイルが使われることがなくなってしまいました。そこで、最近は家の外壁としてのタイル生産に力をいれているそうです。
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質問5 「売り方の工夫」 の工夫のお話を聞いて、「美濃焼は、志野や黄瀬戸などの焼き物で有名なので、志野や黄瀬戸の焼き物を美濃焼として売りに出せないのですか?」と大塚さんに質問してみました。 | |
⇒ 「
美濃焼の1300年の歴史の中で、志野や黄瀬戸が焼かれた時代は慶長(けいちょう)年間(1596~1615)から
寛永(かんえい)年間(1624~1644)までの50年ぐらいの間です。それなのに美濃焼を志野や黄瀬戸で言い表すのはどうなんだろう。美濃焼は、他の焼き物の産地のような焼き物としての特徴はなく、機械化が進んだ大量生産ができたり、お客さんの注文に合わせた陶磁器を作っています。国内で使われているお茶碗などの陶磁器の半分以上が美濃で焼かれたものですが、『美濃焼』というブランドで売られているわけではありません。美濃で焼かれた陶磁器が全国の産地に運ばれて、その地の商品名をつけて売られることもあります。」 お客さんの注文に合わせて陶磁器を生産できる美濃焼は、これと言った焼き物としての特徴はないけれど、安い中国製の陶磁器に負けない工夫や、美濃焼だからこそできる工夫をぼくなりに考えてみたいです。
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質問6 美濃にある他の陶磁器の研究施設との違いは何ですか? | |
⇒ 「意匠研究所の第一の目的は、人材育成をするための設備や先生の人数が充実していることです。」 1学年に2クラスずつ勉強することができるので、陶磁器の勉強をしたい生徒さんにとって、この意匠研究所で勉強できることは大変よいことだと思いました。
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質問7 意匠研究所では、 セラミックス・ラボの研究をしているそうですが、セラミックス・ラボって何ですか? | |
⇒ 「平成15年4月から開設されたコースです。デザインの実習から、商品の企画や販売の仕方を勉強し、実践的なデザイナー、プランナーの養成をします。英会話やインターネットなどのコミュニケーションの勉強もしています。」
玄関にセラミックス・ラボで勉強している生徒さんの作品が飾ってあるので見に行くことにしました。
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