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岐阜県セラミックス技術研究所(多治見市) |
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岐阜県セラミックス技術研究所は、平成11年に岐阜県陶磁器試験場から新しく発足した県の研究所です。 セラミックス製品や技術の研究開発と先端技術の応用、地元の企業への技術支援を行 っています。
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まず始めに『陶磁器ロボットセンター』を見学させてもらいました。ここでは、「毛筆による絵付けロボット」の研究を行っていました。この絵付けロボットは、人が毛筆で書いた文字や絵を磁気センサーが読み取り、パソコンで解読し、ロボットアームが人と同じ動きを再現するというものでした。 実際に制作者の横山さんが「岐阜」という文字を書いてロボットがほぼ同じ文字を書くところを見せてくださいました。 |
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ぼくも「順也」と毛筆で書いて試させてもらいました。すると、ぼくが文字を書くときに間をとったらロボットもそのまま間を取るし、硯(すずり)で墨を付けるとそれとまったく同じ動きをするので とてもビックリしました。 | |
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左の画像で、上がぼくが書いた文字で、下がロボットが書いた文字です。ロボット側の机の上にのっている硯の墨の量がちょっと多かったので、ロボットの文字の方が 少し太くなっていました。 実際に絵付けをした作品を見せてもらいました(下の左の画像)が、ほぼ同じ絵付けになっていました。 地元の企業から、実際に「このロボットを使って作品を作ってみたい。」という注文もきているそうです。
なぜ「毛筆による絵付けロボット」が必要なのか、横山さんに質問をしてみました。すると、次のように答えてくださいました。 「美濃焼の絵付けをする職人さんの高齢化が進み、若い人たちに伝統工芸の技を伝えていくためにこのロボットを造りました。このロボットは、人とほぼ同じ動きを再現できるので、これから何年も先の若い人たちも、このロボットが再現する動きを見てくれれば、 技法だけではなく、その職人さんの息づかいまでを感じてもらえると思っています。」 なるほどと思いました。ぼくはこのロボットは人のコピーをするので、人の必要性がなくなるのであまり印象がよくありませんでしたが、横山さんの話を聞いて安心しました。 |
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まだまだ質問をしたかったので、今度は服部さんと戸高さんがぼくの質問にていねいに答えてくださいました。 |
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ぼくは次のような質問をしました。①セラミックスと陶磁器の違いは
何ですか? ②セラミックスの原料は何ですか? ③セラミックスでどんな製品が作れますか? ④世界的にもセラミックスの研究は行われていますか? ⑤意匠研究所と
この研究所との違いは何ですか? ぼくが考えてきたこれらの質問は、とても答えることが難しいものだったようです。 「セラミックスを分かりやすく説明するのは大変難しいね。昔はセラミックスを窯業(ようぎょう)と訳していたけど、セラミックスの中には陶器や磁器やセメントなども含まれていて、今では工業用の陶磁器のこともセラミックスと呼んでいるね。」と答えてくださいました。ぼくは、陶器と磁器の違いもあやふやだったのに、ビルを作るときに使うセメントまで、なぜセラミックスなのかさっぱり分からなくなってきました。 |
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上の左の画像は、ガラスほどではないけど、光に向けてみると、底から明かりがもれてくることが分かります。このような光を通す性質が磁気にはあるそうです。しかし、陶器はこのように底から光がもれてくることはないです。 | |
このような違いは、陶器や磁器が、どんな粘土などの材料からできているのかという素地(きじ)による違いや、焼き方などによっても違いが出てくるそうです。つまり、いろいろな素地を混ぜ、焼き方を変えることで、いろいろな性質をもったセラミックス製品を作ることができるそうです。 | |
戸高さんがセラミックスの包丁を見せてくださいました。このセラミックスの包丁は、ぼくの家にもある包丁よりとてもかたいそうです。しかし、セラミックスの包丁は、歯が欠けやすいです。 「かたいけど、もろい。セラミックスにはそんな性質があるんだよ。」と教えてくださいました。 また、電気をためるコンデンサーや、電気を通さない碍子(がいし)も、セラミックス製品だそうです。 |
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セラミックスの研究は世界中で行われ、特に岐阜県セラミックス技術研究所では、地元の陶磁器産業の発展のための技術的なサポートをしているそうです。例えば、割れた茶碗を回収して粉々にして、それを原料の20%ほど混ぜ合わせて茶碗を製作するリサイクル商品の開発も行っているそうです。 | |
多治見市内には、陶磁器意匠研究所もあり、土岐市や瑞浪市にもそれぞれ研究施設があります。それぞれの研究所で研究する内容を決めて、地元の陶磁器産業の役に立てるように研究を進めていることが分かりました。
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「子どもたちの質問に答えることもこの研究所の仕事の1つなんだよ。」と、服部さんと戸高さんは、何も知らないぼくのために、1時間半以上も熱心に説明をしてくださいました。 セラミックスという新しい言葉が登場し、また1つこれから調べてみたいことが疑問が増えてきました。 |