セラミックスを作るには

セラミックス産業は日本の最後の砦(とりで)
 日本の経済(けいざい)は、15,6年前をピークに景気が悪くなっています。このような状況にあってもなお好調を続けているのが輸出です。その輸出を支えているのが機械を電気製品です。その中でも自動車に次いで大きな役割を占めるのが色々な部品です。その部品の中でも、日本でしか製造できない部品が多くあります。その1つがセラミックスです。最先端の知識が必要なうえ、さらに勘が必要なセラミックス産業は、日本人が最も得意とする分野であり、簡単に海外に技術移転できない日本の最後の砦(とりで)となる産業です。

 

セラミックスの作るためのポイント
 セラミックを作るには、各種の原料粉末(げんりょうふんまつ)をいかに均一に混ぜて、均一に焼き上げるのかが一番重要です。それは、機械部品や電子部品としてセラミックスを使う以上、いつでも同じ品質のものがないと困るからです。

 しかし、セラミックスは金属に比べてはるかにもろく、100分の1ミリの傷でも致命傷(ちめいしょう)になります。しかし、この製造には、コンピュータによる自動化技術がほとんど使えず、高度な職人の勘が頼りになります。

 

セラミックスと金属の違い
 セラミックスは、粉末状(ふんまつじょう)の原料を加熱して焼きしめて製造します。すると、粉末状の原料は時間とともに緻密(ちみつ)なものに変化していきます。加熱する温度を変えることで、焼きしまり方が変わり、こわれにくさが変わってきます。また、粉末が球の形をして、大きさがそろっているほど、緻密(ちみつ)なセラミックスができます。さらに、セラミックスは、多くの種類の原料を混ぜますが、その粉末の混ぜ方が大変難しく、できばえが変わってしまいます。

 それに対して金属は、原料をとかしてかためさえすれば、すき間のない緻密(ちみつ)なものになります。セラミックスを作ることが大変難しいことであり、外国ではなかなかマネができないことなんだと、本を読んで初めて分かってきました。やはり日本人ってすごいなあと思いました。