白川郷

世界遺産 白川郷 白川村萩町合掌造り集落内・建築物

岐阜県の西北部、富山県と石川県の県境にあり、庄川の源流部に位置する。「白川郷・五箇山の合掌集落」として、1995(平成7)年12月9日に富山県五箇山の菅沼・相倉とともにユネスコの世界遺産に登録された。白川村萩町地区には117棟の合掌造り家屋が残る白川郷の中心的な集落である。

萩町集落は周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成する伝統的建造物群として価値が高いといえる。また伝統的建造物のほか、保存地区内の水田、畑、旧道、山林などの周囲の環境もともに適切に保存するため、保存事業や活動を行っている。このような地区を季節ごと、行事ごとにデジタルアーカイブを行なった。

城山展望台からの眺め(秋)

城山展望台からの眺め(冬)

松古家の屋根葺き

茅葺屋根の葺き替えは40~50年に一度行なわれていたが、現在では「囲炉裏を使わない」「材料の変化」等により、およそ25~35年に一度行なわれる。毎年4月、平均で3~4軒ずつ葺き替えをしている。葺き替え作業は村民総出の「結」(相互扶助制度)によって行われ、100~200人の村人やボランティアによって葺き替えられる。

屋根葺きに使う道具

屋根裏の様子

一斉放水

一斉放水は白川郷で年に一度行われる。茅葺屋根の貴重な合掌造りの家々にとって最も恐れるのが火災であり、村人が放水銃の点検整備をし、地元消防団が万が一の火災に備えて行う放水訓練である。59基の放水銃から出る30メートルの水柱が村を包む景色は秋の風物詩になっており、毎年多くの観光客が詰めかける。

春駒

七福神と舞妓の姿に扮して踊る祝い踊りであり、春を告げる使者として、正月に合掌集落内の民宿や飲食店、土産店などを順に練り歩く。訪ねた先の家々では使者たちにご祝儀や酒をふるまうのが習わしである。
この春駒踊りの演目は「春駒」「銭大黒」「きり大黒」「七福神のまくら踊り」「鯛釣り」「俵ころがし」の6種であり、囃し手は三味線、太鼓、四ツ竹、せんば、歌い手である。本来3月の初午に家々を巡り、豊蚕を願う蚕祭りであったが、禁煙は例祭、結婚式などの祝事に披露されている。

和田家当主和田正人氏によるオーラルヒストリー

和田家 外観

1995(平成7)年に、ユネスコの世界遺産に登録された白川郷(登録名称「白川郷・五箇山の合掌造り集落」)の中でも最大規模をもつのが和田家である。和田家は江戸時代中期から後期に建造されたと推測されている。また、18世紀末ごろ、和田家当主は牛首口留番所の役人を務め、焔煙(火薬の原料)の製造と取引によって富を築いたといわれている。

和田家 オエ(囲炉裏)

和田家 オクノデイ(床の間)

上煮焔硝製始末覚書と焔硝製造鑑札(和田家所蔵)

屋根葺きのカヤ(和田家敷地内)